ハリスホークと呼ばれる鷹の仲間が持ち込まれた。
生まれつきの不具があり、それを承知で受け入れたある方の献身的な飼養保護の下で、1年半をすごしてきたという。
飛ぶことも、止まり木に掴まることもできなかった彼?ではあるが、ともかく幸せな日々を過ごしてきたに違いない。
それが、しばらく前から横たわったまま、立つことも、自力で食べることもできなくなったとのことで、当院に持ち込まれた。

1442410322597鳥類の栄養状態を如実に表す胸筋の付き具合も、すでにペラペラにまで削ぎ落ち、骨にへばりついている状態。
小鳥の診療では、この時点で回復不可能を通告するところだ。
しかし、この個体は繁殖個体であり、強制給餌を受け入れてくれる。
そのことだけが一縷の望みであった。
こうなった原因はいろいろ推測されるにしても、ともかく今は対症療法を中心に、各種治療を試みるしかない。
お預かりして一週間が過ぎ、ようやく流動食でも催促するようになってくれた。
そこで、餌をウズラに切り替えてみたところ、嫌々でも口にしてくれるではないか。
それをきっかけに、体重も順調に増加してきたが、いかんせん自力で立ち上がることができない。
片脚は前方に伸展したままで、両脚とも指を開くことができず握り締めたままだ。
神経的な異常を感じさせるが、その原因が栄養障害だけなのか、もっと他のことが絡んでいるのかさえわからない。
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ともあれ今は食欲旺盛! それに伴い排泄物の量も増え、羽毛の清潔をいかに保つかが目下の課題。
それにしても、人間との関係造りというか、順応ぶりには驚いた!
犬のそれと比べても何ら遜色のないように感じるのは、私の勝手な思い入れのせいだろうか。
もう、返したくない気持ちが頭をもたげてきた。