羽島市観光協会が主催する「藤deナイトin竹鼻別院」が開催された。
今回が初めての試みである。

ずいぶん前から参加者の募集が始まり、小生も予約を取った次第だ。
竹鼻別院の藤といえば、江南の曼荼羅寺と並び、この地方では有名どころである。
しかし昔から知れ渡っていたわけではなく、この藤にかける並々ならぬ情熱を持った関係者の皆さんのたゆまぬ丹精の結果が今日に繋がっている。

「藤まつり」期間中はライトアップもなされ、遠方からの来場者が絶えない。
フジ デ ナイトでは、数種のイベントも企画され、それぞれに会場を盛り上げてくれた。

中でも地元に工房を構える刀鍛冶による鍛錬の実演は、日本古来の伝統芸術の披露に、また違った幽玄の世界を演出してくれた。
実はこの刀匠のお姉さん、もう20年以上も前になるだろうか、当院のスタッフとして働いてくれたことがある。
その頃から弟さんのことはよく聞かせてもらったものだが、その独自の人生観とでも言おうか、発想のユニークさに驚かされたものだ。
外国を一人で旅をし、辿り着いた結論が刀工の道であった。
帰国するや、必死で弟子入り先を探し、関のある刀工を師と定めた。
周りは随分心配をしたと聞く。
艱難辛苦の末、故郷の羽島に仕事場を構えたが、今や海外からの視察と注文が殺到し、さばき切れないほどだという。
彼の振るう力強い槌の音とともに飛び散る火の粉を眺めながら、そんな昔を思い出していた。

何事にも最初があり、沢山の反省点が残るものだ。
竹鼻別院の藤を愛する人々の思いが、後世に伝わる第一歩となることを祈る。