クラブの会長経験者が一堂に会する催しである。

目的は、クラブにおける問題の共有と検討。
そして何より「親睦」だ!

小生も含め、専門職にある人間は概して付き合いの幅が狭い。
もっぱらその業界の仲間と仕事について延々としゃべるだけ。
せいぜいゴルフの話題で口直しするくらいが関の山だ。

しかしそういった話題は、どれをとっても小生の最も苦手とするもの。
話が始まったとたん、意識はどこか別な処に彷徨っていく。

だからといって、ではどんな話なら飽きずに付き合っていられるかと問われても、明確な答えはない。
そこにある話に調子を合わせながら、ひたすら盃を重ねることとなる。

そういう人間にとって異業種人との出会いと交流は新鮮で有り難い。
そのうえこのクラブは地域企業のトップが集っており、それなりに新しい発見と刺激の連続だ。
小生など逆立ちをしても及ぶところではないのだが、何がどう間違ったのか入会27年の皆勤賞を頂くまでになっている。

腐っても?会長会、些か改まった趣向が用意される。
今宵は、蟹の「平井」
普段なら可愛らしいコンパニオン嬢のお世話になるのだが、そこはやはりお正月。
地元の粋筋の登場とあいなった。

日本舞踊に黒留袖!
ようやく正月気分を満喫したのは小生だけではあるまい。

仕事の都合で遅刻をして参加した負い目も何のその、駆けつけ三杯、追いつけ追い越せの大サービス。
30分もしない内にヘロヘロに。
なんて素敵な夜だろう。
お姉さん方の粋なしゃべりとお酌に、すっかりトロケた。

こんな夜は素直に帰るは愚の骨頂。
お決まりコースではしご酒。

そろそろ正体を無くしそうになる絶妙なタイミングで、いつものタクシー。
何を話したかは定かでないが、気が付けば我が家の玄関。
誰かの支えに甘えながらの人生を、しみじみ思った夜であった。