月一開催の日本酒会である。
特徴は昼酒会ということ。
二時から五時の三時間、岐阜県内の酒蔵から一つを選び、6~7種類の代表銘柄を飲み比べる。
それも、わざわざ社長が出向いて、解説と共にお酌のサービスをするという、恐縮モノの飲み会だ。

昼間に飲む酒は、殊のほか旨い。
しかし、回る。

薬物生理学的な問題であることは間違いないが、
眩しいお天道様への後ろめたさと気恥ずかしさを、早く払拭したい心理も手伝うか。

いずれにしても、こうやって真っ昼間に徒党を組んで酒を飲む輩に、否応なしに道行く人々の視線が注がれる。
当然ながら決して羨望の眼差しではない。
やはり限りなく異様な集団に映っているらしい。

しかしそんなことはどうでもよい。
小生もハヤ六十半ばに差し掛かった。
このくらいのバカは、きっとご先祖様もお許しくださるに違いない。

今回は美濃市に江戸時代より蔵を構える小坂酒造をお招きした。
代表銘柄は「百春」「さんやほう」
基本的には旨口タイプで、小生好みの酒であるが、その中でもすっきり感が漂う銘酒だと思う。
社長の小坂さん、お世辞やお上手が言える人ではなさそうだが、その分真面目な酒造りに取り組んでおられる。

酒造りの世界も、やはり不易流行。
社長もいろいろ可能性を模索しているが、変えてはならないところは、しっかりと心得ていらっしゃる。
こういう姿勢が、酒飲みには嬉しく、大きな安心感となって更なる期待へとつながるのだ。

三時間、しっかりと飲み比べた後は、当地の吞ん兵衛なら知らぬものなしの酒販店「酒の中島屋」社長 西川氏とともに蔵元を誘い二次会へ。
行き付けの居酒屋でいつものツマミで飲み直し。
途中からは「mirai」の瀧川マスターも合流。
それぞれに濃ゆい話で盛り上がった。