手術後に、あれほどポジティブな心境を堅持し、超短期間の退院を勝ち取った我が身ではあったが、
退院後3週間を過ぎても、患肢の痛みと違和感が取れず、熟睡とは遥か無縁の毎日を送っている。

心が折れるとは、こういうことを言うのだろうか。
これから先の見通しに、何ら光明を見出せなくなりつつある。
この苦痛が禊ぎの意味を持つならば、もうそろそろ勘弁してはもらえないだろうか。
そもそも、こんな目に遭わねばならない何をしたというのか。

何もしたくない、何の意味も見出せない。
まさに欝の状態にのめり込みつつある。
右足の膝が曲がらないから、車の運転もできない。
ビッコで初老のオジサンの醜態を、毎日晒しているばかりだ。
誰かにすがり付きたい気持ちと、誰にも頼ってはいけないと思う自分とのせめぎ合いが、日ごとに激しさを増していく。

俺って、いつもそうなんだ。
一生懸命に何かに打ち込んで、もう少しで光が見えてきそうな時になると、決まってアクシデントに見舞われる。
きっとこれからもそうに違いない。

時は今、年に一番忙しい時期を迎えている。
思うように身体が動かない。
素早い反応ができず、飼い主さんの手を煩わしてしまう。
すべてがそうだ。
そんな自分の不甲斐なさに、ほとほと嫌気が差す。

今夜もきっと、何度も目を覚ますことだろう。
その度にできることといったら、肢をさすることくらい。
鎮痛剤を服用しても、この違和感は治せない。

神様、仏様、そしてご先祖様、
こんなロクデモない?代目の馬鹿男に、どうか優しい眼差しを。
願わくば、これからを乗り越える力を。

そんな苦しいときだけの頼みを聞いてもらえるとは思わないが、何かにすがりたい。