こんなコンサートは久しぶりだ。
ずいぶん前に、ワイルドワンズのそれを観に行ったきりだよ。
14時からの開演30分前に到着したが、幸い駐車場に一台の空きがあり難なく駐車完了!
会場の国際会議場までは、長い列ができていた。
見事に粒ぞろいの人々である。
何が粒ぞろいかといえば、コンサートちらしのテーマにもあるように、まさに「同窓会」。
60~70年代に青春を謳歌した、おじさん・おばさんの群れがひしめきあっているのだ。
なんとオゾマシイ光景であろうか。
小生なんぞは、最年少組みといっても過言ではない。
(目クソ鼻クソとのご指摘は、甘んじてお受けするが…)
群衆の中、ロビーに並ぶCDやTシャツ等の販売グッズに一通り目を通し、ホールへと歩みを進めた。
このコンサート、新聞の催事欄で知り、ネット予約でチケットを購入したが、最前席はすべてオッカケ組が揃いの出で立ちで陣取り、小生なぞはほぼ中央の席を確保するのが精一杯。それでも、通路沿いの席が取れたのは、足の長~い小生にとっては何にも代えがたい幸せとなった。
ステージでは、観客への様々なインフォメーションが、面白おかしく伝えられ、程なくして開演間近を知らせるブザーが鳴り響く。
そんな時間になってもなお、席を探す年配の観客がゾロゾロと歩き回り、それはショーが始まってもしばらく止むことはなかった。
さすがはオバタリアン・オジタリアンである。
問答無用の自分世界で生きている姿が、なにやら微笑ましい。
さあっ、いよいよ幕が開き出演者が一同に並ぶ。
変わらない顔、変わってしまった顔…、
そんなことはどうでもいい、我々には懐かしき豪華キャストに違いないのだから。
中でも、西城秀樹の存在は大きい。
二度の脳梗塞に見舞われ、今も言葉と体に不自由が残るが、厳しいリハビリをこなしながら、毅然と前を見続けている。
その西城を暖かく見つめ、支えていくことを誓う「同窓会」の面々が胸を打つ。
単なる同情ではない、西城の行き方そのものに共感しているのだ。
昭和という時代を支え合って生きてきた連帯感は、そう簡単に壊されはしない。
それにしてもどうだろう!
いざONステージとなれば、シニアのイメージは一変する。
激しいアクションで歌い上げる尾藤イサオの健在振りには驚いた。
今陽子、西口久美子のスリムではつらつとしたステージは、時の移ろいなど微塵も感じさせない。
辺見マリも小川知子も、なかなかの色っぽさだ。
あべ静江ときたひにゃあ、小生は黙っていられない。
大学時代、こんな美女がこの世に存在するのか!と、町田の大丸まで彼女の歌を聴きにいったものだ。
少々育ち過ぎた感は否めないが、それはそれ、むしろ熟女の魅力に磨きがかかり、ポッチャリ好きな小生の心をワシヅカミにして放さない。
あいざき伸也が岐阜市加納の生まれ育ちだとは知らなかった。
加納小、加納中そして加納高校に進学するはずが、偏○値の都合で羽島高校へ…などと、観客の笑いを誘うトークは自然で楽しい。
ワイルドワンズのムードメーカー植田秀暁も歳をとった。
「50年、これ一本で食ってきましたあー!」
もちろん<想い出の渚>だ。
小生も思わず大きな声で歌ってしまった。
あの時代、輝いていた俺たちのあの時代はもう過ぎ去った昔となった。
しかし誰もがあの時代にタイムスリップしていた。
恥も外聞も無く。
裸の心で楽しませてくれた出演者の皆さんに感謝すると共に、
いつまでも健やかであれと願わずにはいられなかった。
そして、来年もここで会おうと誓い合った「同窓会」の連中もまた、同じ気持ちで帰路に着いたに違いない。
また、大切な何かを見つけたような、そんな一日となったが、この日は獣医師会の新年会とのダブルヘッダー。
宴席に集う仲間の顔が、いつもと一味違って見えたのは、歳のせいか…。