９月17日23：00からBSジャパンで放送された、日経スペシャル「夢職人」。
羽島市に本社を構える「岩田鉄工所」の特集だった。
社長の岩田勝美氏とは、もう26年来のお付き合いをいただいている。
羽島ロータリークラブの仲間として、毎週火曜日の例会には昼食をご一緒しながら歓談するのだが、個人的にも何かとお世話になっている。
ダジャレおじさんの異名をとり、ピンチをチャンスに！を信条にする、底抜けに愉快で、ブルドーザーのように障壁をぶち破って進む、まことスーパーマン的人物である。
物作りにかける情熱は凄まじく、生来の旺盛な好奇心も手伝い、常にアイデアを求めて思索しているが、決して単なる夢想家ではない。
草取り機「抜けるんです」、電動伸縮杖「伸助さん」、リモコンで上下するマイクスタンド「マイク ジョウダン」、配電盤の湿気取り「あうん」…。
数え上げたらキリがないほどのヒット商品を飛ばしている。
ユニークなのはその商品名だ！日本ネーミング大賞にも名を連ねる、氏のコダワリは「ん」。
「ん」は「運」に通ずるとして、必ず「ん」の一文字を入れる。
多くの困難を乗り越えてきた氏の、願いと心意気である。
とはいえ、本業は精密金属加工。
自動車部品はもちろん、人工衛星や東京スカイツリーの部品まで手がける技術と設備を誇っている。
東大とのコラボによる、精巧な動く義手の開発に心躍らせる、人類愛と奉仕の精神の持ち主でもある。
氏の幅広い人脈を、「自家薬籠中の物」と評した人がいるが、実に言い得て妙とはいうものの、その裏にある律儀さ繊細さを多くの人は知らない。
ふざけてばかりのお調子者と侮っていると、氏の瞳に映った己の姿に、人生を深く反省させられる時が必ず来るだろう。
最近は、新聞・雑誌でエッセイの連載を受け持つライターとしても活躍され、その多才ぶりを遺憾無く発揮している。
私にとっては、大切な友人であると同時に、人生の灯台として生涯目指していける人物である。
また柳ヶ瀬にもお付き合いいただきたいが、綺麗どころを全部持っていかれる悔しさは、いかんともし難い。
