関市にある岐阜県博物館もまた、何かと特別企画を立てては来館者増に心を砕いている。
市民の知的好奇心を満足させ、学習意欲を後押しするという大儀には敬服するばかりである。

14724467888851472446778742そんな中、「新・恐竜学」という開館40周年記念特別展と関連講演会「鳥類学者 無謀にも恐竜を語る」の開催を新聞で知った。
2回の講演会の内、都合で最後の1回しか聴講できなかったが、それなりに知的好奇心をくすぐってもらえたと満足している。

その筋の人なら大概は知っているであろう川上和人氏の話は、その軽妙な語り口とユーモアで聴く者を飽きさせない。
むしろこの講演を聴ければそれで良かったくらいの思いでいる。
1472446796526(館内は写真撮影は厳禁だそうで、開演前の隙を見てステージを撮ってみた(汗))

話の内容は、鳥類学者らしく自らの研究をベースにして、独自の考察を織り込みながら展開していく手法であり、随所に異論を突っ込まれるであろう危うさを漂わせながらも、それをまた聞く者を楽しませる緩和剤として上手く利用している。
主に、形態から推測する食性や、何よりその体色に対する考察には、既成概念を覆す新しいデータの解析が駆使されており、目から鱗の状態で聞き入った。

一時間半の公演時間であったが、最後の質疑応答では、さすがにこのような場に参集した人達らしく少々捻りが利いた質問に、聴衆も微笑みながら頷いていた。

特別展の方は時間的関係であまり見られなかったが、わざわざ出向いた甲斐があったと納得しながら、岐路を急いだ。