関市の関鍛冶伝承館において、刀剣展が開催されていると聞き行ってみた。
作刀にはいろいろの流派があるが、その代表的なものを解説しながら、刀や太刀、短刀を展示している。
特別展の会場は写真撮影が禁止されているため、その見事な姿を紹介できないのが残念だ。
刀の愛で方には、様々な専門用語が使われる。
種類としては、太刀・刀・脇差・短刀、そして各部の名称。
その姿かたちや、刃文、地肌の細かな表現には、非常に難解な用語が数多く登場し、素人には理解が難しい。
しかし、誰が観ても良いものは良いもので、理屈抜きにその美しさや、凄みといったものが伝わる。
武士の魂と言われた由縁も分かるような気がした。
最近は若い女性フアンも多いらしく、会場にも連れ立って見入る20代女性の姿があった。
小生も刀には少なからぬ興味を持っている。
十数振の展示だったが、二時間近くの時間をかけて堪能してきた。
そろそろお昼時になり、以前から行きたいと思っていた蕎麦屋「助六」を訪ねた。
小生が入店したと同時に満席となり、その後店外には瞬く間に長い列ができた。
それもそのはず、蕎麦通には知れ渡った名店である。
実は小生、これでも蕎麦に関してはうるさい方で、自ら蕎麦通を標榜して憚らない。
昔はあちこちの蕎麦屋を渡り歩いたものだ。
ここはじっくり蕎麦だけを味わいたいところだが、空腹も手伝って思わず季節の野菜天ざる蕎麦を注文。
先ずは蕎麦が出されたが、蕎麦切りとはこういうものを言うのだと納得。
切り口がしっかりと立って手打ちの技が光る、なんとも綺麗な蕎麦だ。
ざるの上には程よい量の蕎麦が丁寧に盛られ、薄緑に艶めく麺の光沢が、食す前からその味を醸し出している。
口に運べば、しっかりとした蕎麦香が鼻をくすぐり、適度な腰とつるりとした喉越しに大満足!
やや遅れて天麩羅が登場、結構なボリュウムで食べでがあり、さくさく感も良かったが、やや油がしつこいように感じたのはその日の体調によるものかも知れない。
町中のへんてつもない蕎麦屋だが、構えだけのエセ高級蕎麦屋が横行する中、こういう正統派の本物に出会った時の嬉しさはまた格別だ。
愚直に一つの道を進むことの大切さを噛み締めた。