柄にも無く、今年六月から通い始めた社交ダンス教室。
車で10分ほどの好立地ではあるが、週に一度のレッスンをキープするのが精一杯。
ただでさえリズム感の乏しい小生には、上達の道のりは長く厳しそうだ。
それでも半年が過ぎ、忘年会とあいなった。

1451217951967柳ヶ瀬の居酒屋でメーターを上げてからの、ダンスホール繰り出し。
むしろこのくらい酔いが回った方が、腹が据わって怖いのもなしというものだ。
いつもは個人レッスンなので、知り合いは少ない。
しかし、酒の勢いも手伝ってスグサマ旧知の友のごとく振舞えるのは、小生がほぼ最年少であるがためのご利益といったところだろう。
還暦が過ぎた小生が最年少の世界とはいかなるものか。
それはご想像に任せる。

1451217847035しかし言い換えればそれだけ経験豊富なメンバーであるから、ダンス歴もまた長い。
この日の最高齢は83歳の男性だったが、どこから見てもそんな歳には思えない若々しさだ。
スッテプも軽やかに、ジルバだワルツだルンバだと、踊り込んだ妙齢のご婦人方を相手に、見事なリード振りを見せ付ける。
他のメンバーもそれぞれに板に付いた動きと笑顔で、ダンスを楽しんでいる。
流石だ!

14512179250681451217978148ただただ羨ましく己の不甲斐なさに萎縮していると、見かねたのか先ほどのご婦人が小生の前に立ち、強引に手を取ってホールに引きずり出す。
「そら!もっとくっ付いて」
「音楽に乗って乗って!」
「そう!それでいいんだよ」
「やればできるじゃん」
1451217868078なんと頼もしく、逞しいお方だことか。
小生、ただ「ハイッ!ハイッ!」を連発するだけで精一杯。
結果、冷や汗・脂汗で下着はぐっしょり、いつの間にか酔いもすっかり吹っ飛んでいた。

それでも可笑しいことに、何かが吹っ切れた感覚に包まれて、それなりにダンスを楽しんでいる自分がいるではないか。
何事も場数を踏むことの大切さといったところか。

今までは、教室のある日は朝から憂鬱な気分がして足が重かった。
それは今も変わらないが、少しずつ変化が生じている気もする。
心からダンスを楽しめる日が来ることを願って頑張ろう。
石の上にも三年!
いみじくも、そのおば様のお言葉だ。

83歳までには、まだ20年以上もある。
まだまだなんでもできそうな気持ちにさせてもらえた夜であった。